下顎歯肉癌における下顎辺縁切除後の再建に関する検討

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  • Clinical observation of alveolar ridge reconstruction following marginal mandibulectomy on carcinoma of the lower gingiva and alveolus

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抄録

下顎歯肉癌に対して下顎辺縁切除後に血管柄付き骨皮弁移植による歯槽骨再建および軟組織再建を行った症例を分析し,妥当性ならびに適応基準を検討した。当科における辺縁切除後の再建方針としては,1.軟組織進展が主で下顎骨欠損が骨高径の1/3以下の場合は,歯槽骨再建,軟組織再建両方ともなし,もしくは軟組織再建のみで歯槽骨再建なし。2.欠損が1/3以上1/2以下の場合は,半側橈骨付き前腕皮弁による歯槽骨再建と軟組織再建。3.欠損が1/2以上に及ぶ場合は,腓骨皮弁による歯槽骨再建と軟組織再建を行っている。術式では再建なし症例が22例,再建あり症例が24例であり,内訳は軟組織再建のみが17例,歯槽骨再建と軟組織再建が7例であった。手術から退院までの期間は再建あり症例よりも再建なし症例の方が有意に短期であった。補綴物装着までの期間は軟組織のみ再建よりも歯槽骨再建の方が有意に短くなっていた。以上より下顎辺縁切除後の歯槽骨再建および軟組織再建は標準的再建のひとつとして妥当であると考えられた。

収録刊行物

  • 頭頸部癌

    頭頸部癌 35 (4), 365-369, 2009

    日本頭頸部癌学会

参考文献 (19)*注記

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