歯周病患者に対する骨接合型インプラントの治療成績に関する臨床的研究

  • 難波 智美
    明海大学歯学部口腔生物再生医工学講座歯周病学分野
  • 葛山 賢司
    明海大学歯学部口腔生物再生医工学講座歯周病学分野
  • 石井 麻紀子
    明海大学歯学部口腔生物再生医工学講座歯周病学分野
  • 三上 晃一郎
    明海大学歯学部口腔生物再生医工学講座歯周病学分野
  • 谷田部 一大
    明海大学歯学部口腔生物再生医工学講座歯周病学分野
  • 小村 尚徳
    明海大学歯学部口腔生物再生医工学講座歯周病学分野
  • 大塚 秀春
    明海大学歯学部口腔生物再生医工学講座歯周病学分野
  • 林 丈一朗
    明海大学歯学部口腔生物再生医工学講座歯周病学分野
  • 辰巳 順一
    明海大学歯学部口腔生物再生医工学講座歯周病学分野
  • 申 基喆
    明海大学歯学部口腔生物再生医工学講座歯周病学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical Study of the Treatment Results for Osseointegrated Implants in Periodontitis Patients

この論文をさがす

抄録

本研究の目的は, 明海大学歯学部付属明海大学病院歯周病科においてこれまで実施された歯周病患者におけるインプラント治療の治療成績を分析することにある。歯周治療終了後, 1999年12月から2005年12月の間にインプラント治療を行った患者105名を対象とした。各被験者の残存歯数, probing pocket depth(PPD), プロービング時の出血の有無(bleeding on probing ; BOP)について調査を行った。インプラント治療に関しては, インプラントの種類, 長軸長, 隣在歯の有無, 埋入部位を調査項目とし, 各インプラント周囲骨吸収量(MBL)をエックス線写真から測定した。5年生存率および5年成功率はKaplan-Meier法にて算出し, ログランク検定により比較した。成功率はMBL≦1.5mm, およびMBL≦3.0mmの2段階で定義した。各被験者の調査項目は, MBLとの相関関係をANOVAおよびTukey’s検定法を用いて調査した。結果 : 1)5年生存率は98.7%であり, MBL≦1.5mm成功率は63.6%, およびMBL≦3.0mmでは90.0%であった。2)MBLと初診時のPPD(平均, 最大値, 最小値)とは相関関係が認められなかった。3)MBLとメインテナンス時のPPD最大値とは正の相関が(p=0.045)が認められた。4)MBLとPPD最大値の改善量および初診時の残存歯数とは負の相関(p=0.0094,0.0022)が認められた。以上の研究結果から, 歯周治療が行われた患者のインプラント生存率および成功率は, 歯周治療の有無に関するこれまでの報告とほぼ同様な結果が得られた。MBLが初診時のPPDと相関せず, メインテナンス時のPPD最大値およびPPD改善量と相関することから, インプラント治療の成功率には, 適切な歯周治療およびメインテナンスによる残存歯周囲組織の安定が重要であることが示唆された。<BR>日本歯周病学会会誌(日歯周誌)51(2) : 141-152, 2009

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (37)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ