シクロスポリンの併用が有効と考えられた急性発症重症型自己免疫性肝炎の1例

書誌事項

タイトル別名
  • Successful cyclosporine treatment for a case with acute-onset autoimmune hepatitis presenting as severe type
  • 症例報告 シクロスポリンの併用が有効と考えられた急性発症重症型自己免疫性肝炎の1例
  • ショウレイ ホウコク シクロスポリン ノ ヘイヨウ ガ ユウコウ ト カンガエラレタ キュウセイ ハッショウ ジュウショウガタ ジコ メンエキセイ カンエン ノ 1レイ

この論文をさがす

抄録

症例は42歳女性.2008年11月下旬より倦怠感あり,近医で黄疸と肝障害を指摘され12月5日当院へ紹介入院となった.臨床所見および血液検査より急性肝炎重症型と診断した.既往歴として甲状腺機能異常症があり,各種肝炎ウィルスマーカー陰性,IgG 2,220 mg/dl ,抗核抗体40倍,HLA DR4陽性であり,自己免疫性肝炎が疑われた.ステロイド大量投与を開始したが肝予備能の改善は乏しく,入院第23日CTで著明な肝萎縮および腹水を認めたため,第26日よりシクロスポリン(CsA)を併用した.その後,肝予備能は改善を認め,第68日CTで肝容積はほぼ元に復しており,CsAは漸減中止,ステロイドも漸減し,第103日退院となった(最終的にAIH score 18点であり自己免疫性肝炎と確定診断).以後,再燃なく経過し,現在プレドニゾロン8 mgで経過観察中である.本例は,急性発症重症型自己免疫性肝炎においてCsAが有効である可能性を示した貴重な症例であり,文献的考察を加え報告する.<br>

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 51 (10), 549-556, 2010

    一般社団法人 日本肝臓学会

参考文献 (42)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ