当院医科より紹介された患児の実態調査

書誌事項

タイトル別名
  • A Survey of the Patients Referred from Medical Departments in Hiroshima University Hospital

この論文をさがす

抄録

歯科疾患と全身疾患の関連は従来より多く報告され,医療現場における医歯連携が重要視されている。今回は,当院医科からの紹介により当科を受診した患児を調査し実態を把握して,小児医療における小児歯科の役割について考察した。1996 年4 月から2009 年3 月までの13 年間に,当院医科より紹介され当科を受診した初診患児373 名について調査,検討を行い以下の結論を得た。1 .医科より紹介され当科を受診した患児数は,2008 年度では1996 年度と比較して約3 倍に増加した。年齢分布では就学前の患児が約半数を占めており,低年齢での受診が多いことが示された。2 .患児が有する全身疾患は悪性腫瘍が全体の半分以上を占めていた。疾患名では白血病が最も多かった。腫瘍性疾患と非腫瘍性疾患を合わせると造血器疾患が多かった。3 .紹介理由は感染巣の探索を目的とした口腔診査の割合が最も多く,年々増加している。2006 年度以降には齲蝕治療を紹介理由とした患児数と逆転した。4 .小児病棟スタッフの口腔管理に対する意識は,小児歯科との連携を継続することにより向上した。

収録刊行物

  • 小児歯科学雑誌

    小児歯科学雑誌 48 (3), 409-413, 2010

    一般財団法人 日本小児歯科学会

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (16)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ