食品脂質劣化のにおい生成と抑制およびそのにおい測定

  • 和田 俊
    東京海洋大学 海洋科学部 食品生産科学科
  • 森 由佳
    東京海洋大学 海洋科学部 食品生産科学科
  • 後藤 直宏
    東京海洋大学 海洋科学部 食品生産科学科
  • 喜多 純一
    (株)島津製作所 分析計測事業部 新事業グループ

書誌事項

タイトル別名
  • The flavor change in food by lipid oxidation and inhibition of oxidation and measurements of food flavor
  • ショクヒン シシツ レッカ ノ ニオイ セイセイ ト ヨクセイ オヨビ ソノ ニオイ ソクテイ

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抄録

食品のにおいは多種多様である.食品の品質は,食品を摂取する際に,そこにヒトそれぞれのにおいに対する好みが加わり,このにおい感覚と食品そのものの成分の変化や劣化を素因として官能評価される.食品分野では総合的な感覚をフレーバーと称するが,食品成分の分析からこのフレーバーを解析する際に取り残されがちなのが,脂質成分劣化に伴うにおいである.食品のにおい変化の最大素因の一つは脂質劣化といっても過言ではない.<BR>そこで本稿では脂質劣化のメカニズムをまず紹介し,そこから派生するにおいとその抑制を取り上げ,さらに食品のにおい測定において現在多用されている固相マイクロ抽出(solid phase micro extraction : SPME)とにおい識別装置の測定法を中心に概説する.加えて食品のにおい劣化の中では,悪臭にもあげられてしまう水産物の最近のフレーバー研究の中でSPME法を用いた主なものをまとめた.最後に食品規格の世界標準としてCodex Alimentarius Commission(コーデックス : Codex)に採用された日本初の即席めん類の規格制定の際に検討された脂質劣化と食の安全性の研究についても紹介する.

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参考文献 (32)*注記

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