サルモネラ菌復帰変異体べん毛繊維のらせん構造と機能

  • 林 史夫
    群馬大学大学院工学研究科応用化学・生物化学専攻
  • 都丸 英敏
    群馬大学大学院工学研究科応用化学・生物化学専攻
  • 大澤 研二
    群馬大学大学院工学研究科応用化学・生物化学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Analyses of the Flagellar Filaments of the <i>Salmonella</i> Pseudorevertants
  • サルモネラキン フッキ ヘンイタイ ベンモウ センイ ノ ラセン コウゾウ ト キノウ

この論文をさがす

抄録

直径 23 nm,長さ 10~15 μm にも達するチューブ状の細長いらせん型の構造であるべん毛繊維は,約 3 万個のナノメートルサイズの単一部品(フラジェリンタンパク質)が非共有結合で会合したマイクロメートルサイズの超らせん構造体である.細菌が遊泳するためのスクリューとして機能するべん毛繊維は,繊維の根元にある回転モーターの回転方向に応じて,超らせんのピッチ長,らせん直径,巻き方向を変化させる.この形態変化を多型変換と呼ぶ.これまで,多型変換機構解明に向けてさまざまな取り組みがされてきたが,まだ,解明には至っていない.筆者らはフラジェリン内抑圧変異解析で多型変換に重要と思われる 19 の鍵アミノ酸残基を抽出し,それら鍵アミノ酸残基に変異をもつ復帰体の機能解析と鍵アミノ酸残基のフラジェリンにおける局在解析から,Arg431 が多型変換に重要であることを見いだした.本報では Arg431 を重要とした根拠を示すとともに,Arg431 を起点とした多型変換機序モデルを提案する.<br>

収録刊行物

  • 高分子論文集

    高分子論文集 67 (12), 666-678, 2010

    公益社団法人 高分子学会

参考文献 (44)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ