常同行動を呈した猫5頭の長期観察報告

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  • Long Term Follow-up of Five Cats with Repetitive Behavior

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抄録

酪農学園大学行動治療科に常同行動を主訴として来院し,3年以上の後追い調査をした猫5症例について報告する。いずれも室内飼育で,雄3頭,雌2頭であった。初診時年齢は1歳6カ月齢から6歳齢,常同行動がみられてから来院まで4カ月から3年間が経過していた。常同行動はいずれも舐性行動で,過剰な自己グルーミングが4例,繊維舐め/摂食が1例であった。鑑別診断の後,全例に対して行動修正法として常同行動に対し一切反応しないことの指示および環境改善プログラムを実施し,薬物療法として塩酸クロミプラミン0.8-1.3 mg/kg/dayを併用した。全例で2から4週間内に常同行動の頻度が減少した。行動修正法を継続し,休薬のための減薬プログラムに入ったところ,減薬中に2例,さらに休薬後3週間以内に2例の計4例で症状が悪化または再発した。これらの例では塩酸クロミプラミンの再導入により常同行動が制御された。これら4例では現在に至るまでの3から6年間,薬剤は継続投与されており,維持量は0.25-0.5 mg/kgの1日1回または隔日投与であった。

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参考文献 (10)*注記

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