歯痛を主訴とした腹部片頭痛の1症例

  • 野上 堅太郎
    福岡歯科大学診断・全身管理学講座 麻酔管理学分野
  • 谷口 省吾
    福岡歯科大学診断・全身管理学講座 麻酔管理学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Abdominal migraine presenting with odontalgia: report of a case
  • 症例 歯痛を主訴とした腹部片頭痛の1症例
  • ショウレイ シツウ オ シュソ ト シタ フクブ ヘンズツウ ノ 1 ショウレイ

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抄録

歯痛を主訴とした腹部片頭痛の1症例を経験したので報告する.14歳の男児で,右側の下顎臼歯部に痛みが起こり,歯科処置を受けたが痛みは軽減しなかった.頭部CTで器質的疾患は否定され,当科を紹介された.痛みは,右側の上顎臼歯部から下顎臼歯部にかけて,1日に1~2回,朝と夜に多く起こり,2~3 時間持続していた.詳細に病歴を聴取すると歯痛が起こる前に閃輝暗点が起こり,歯痛が発現した時に嘔気,光過敏,同側の流涙を伴っていた.ゾルミトリプタン2.5 mgの服用約10分後に発作は軽減し,流涙は消失した.その後,紹介した頭痛専門医による詳細な問診で,幼少期から上腹部痛,嘔気,嘔吐を頻回に繰り返していたことが明らかになり,腹部片頭痛と診断された.

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参考文献 (14)*注記

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