TGF-β1及び活性型ビタミンDがヒト歯根膜由来細胞の分化へ及ぼす影響

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  • The Effects of TGF-.BETA.1 and 1,25(OH)2D3 on the Differentiation of Human Periodontal Ligament Cells
  • The Effects of TGF-β1 and 1,25(OH)2D3 on the Differentiation of Human Periodontal Ligament Cells

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抄録

TGF-β1と活性型ビタミンDは, 細胞の成長や分化に対して影響を及ぼすことが知られている。そこで本研究では, ヒト歯根膜由来細胞に対するTGF-β1と活性型ビタミンDの影響を種々の分化マーカーを用いて検討することを目的とした。ヒト歯根膜由来細胞 (HPdLF, HPDL) に様々な濃度のTGF-β1と活性型ビタミンDを作用させ, アルカリフォスファターゼ (ALP) 活性を測定, 歯髄由来細胞, 骨芽細胞と比較した。さらにTGF-β1と活性型ビタミンD を作用させたHPdLFについて細胞増殖能の検討およびALP染色を行った。さらに, 石灰化誘導条件下でPCRにて分化マーカーを検討した。その結果, ヒト歯根膜由来細胞はTGF-β1と活性型ビタミンDを添加した場合, 細胞増殖能は抑制されるが, ALP活性に対する反応性は上昇し, またALP染色陽性細胞も増加した。石灰化誘導培地でのTGF-β1と活性型ビタミンDに対するHPdLFの反応性は, 歯根膜細胞に特徴的マーカーとされるPLAP-1/asporin遺伝子発現は減弱し, 骨芽細胞に特徴的マーカーとされるオステオカルシン遺伝子発現は上昇した。以上の結果から, TGF-β1と活性型ビタミンDはヒト歯根膜由来細胞の分化に対し促進的に作用してALP活性の上昇を示し, 石灰化誘導培地において, よりosteogenicな細胞へと分化誘導することが示唆された。<BR>日本歯周病学会会誌(日歯周誌)52(4) : 391-400, 2010.

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