多発性進行期有棘細胞癌への移行がみられたBowen病の1例

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  • A case of multiple Bowen's disease

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抄録

慢性砒素中毒が疑われた多発性進行期有棘細胞癌の1例を報告した。患者は96歳,男。元漁師,船員。65歳頃まで井戸水を使用していた。91歳時に多発性Bowen病と診断され,計8個の結節を切除。組織は進行期有棘細胞癌,Bowen病,基底細胞癌であった。5年後,91歳の時点で淡い色素斑であった右肩甲部の皮疹が急激に増大し,再診時7×7cmの有棘細胞癌を形成していた。下腹部,臍部,下腿にも腫瘤や結節の新生を認めいずれも有棘細胞癌,Bowen病と診断された。自験例では多発性Bowen病の個々の皮疹について今後の浸潤癌への移行を予測することは困難と考え,現在定期的な皮膚科医の診察を行っている。

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