原発性リンパ浮腫に生じたリンパ管肉腫

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タイトル別名
  • Lymphangiosarcoma in primary lymphedema of the upper limb

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抄録

患者は66歳女で,20歳頃より右上肢にむくみがあった。2007年9月頃,右前腕に紅斑と結節が出現し,近医にて血管肉腫と診断され,2008年2月当科を紹介された。右上肢浮腫と前腕に紅斑性硬結を認め,組織学的にリンパ管肉腫と診断した。外傷や手術の既往なく,原発性リンパ浮腫に生じたStewart-Treves症候群と診断した。低容量パクリタキセルの静脈点滴を開始したが,高度の骨髄抑制を認めたため,副作用軽減目的に選択的動注療法に変更した。しかし強い末梢神経障害と病変の拡大を認めたため,ドセタキセルに変更し,さらにX線照射した。動注で患側上腕に薬疹が出現したため中止し,エトポシドとプレドニゾロンの内服に切り替えた。その後,右腋窩下リンパ節転移を認め,X線照射した。初診後遠隔臓器転移なく19ヵ月以上経過している。報告例と比較し,本例は肢断せず,放射線と化学療法で長期延命されている。

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参考文献 (20)*注記

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