漢方のＣＡＭからの脱出：大建中湯を中心に

• 河野 透

  旭川医科大学 外科学講座・消化器病態外科学分野

書誌事項

タイトル別名

• The Kampo medicine Daikenchuto -Its Exodus from the complementary and alternative medicines
• カンポウ ノ CAM カラ ノ ダッシュツ ダイケンチュウトウ オ チュウシン ニ

抄録

植物由来物を利用した医薬は代替補完医療complementary and alternative medicine（CAM）の枠組みの中にあり，エビデンス重視の現代医療では異端的扱いであった．世界中から日本の伝統的医薬である漢方薬が高品質および標準化されている点に注目され始めた．その契機となったのが大建中湯の薬効機序に関する分子レベルの研究である．大建中湯は3つの生薬（山椒（さんしょう），乾姜（かんきょう），人参（にんじん））が含まれ，術後の腸管運動麻痺改善，および腸管血流改善作用が，大建中湯の主要成分であるhydroxy-α-sanshool，6-shogaolを中心にカルシトニン・ファミリー・ペプチドを介して発現していることが明らかとなった．この研究を契機に全国の大学病院で二重盲検プラセボ比較試験が開始された．同時に米国でも臨床試験が行われ大建中湯の有効性がいち早く証明され漢方薬のCAMからの脱出が始まった．

収録刊行物

• 日本薬理学雑誌

  日本薬理学雑誌 137 (1), 13-17, 2011

  公益社団法人 日本薬理学会

キーワード

• 代替補完医療
• 漢方
• 大建中湯
• カルシトニン遺伝子関連ペプチド
• クローン病

詳細情報

• CRID: 1390001204274231680
• NII論文ID: 10027747167
• NII書誌ID: AN00198335
• DOI: 10.1254/fpj.137.13
• COI: 1:CAS:528:DC%2BC3MXhtlOksL0%3D
• ISSN: 13478397
• ISSN: 00155691
• NDL書誌ID: 10955065
• PubMed: 21233583
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I10955065
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2011136615
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • NDL
  • Crossref
  • PubMed
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可