オクトレオチドが有効であった胃癌術後難治性乳糜漏の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A CASE OF INTRACTABLE CHYLOUS LEAKAGE AFTER SURGERY FOR GASTRIC CANCER SUCCESSFULLY TREATED BY OCTREOTIDE

この論文をさがす

抄録

症例は59歳,男性.2010年2月,前庭部進行胃癌に対し幽門側胃切除術,D2郭清を行った.術当日よりドレーンからやや白濁した排液を500ml/day前後認めた.第2病日には一時減少したが第5病日より経口摂取を開始したところ,第6病日よりドレーンから白濁した排液の増量を認め,ドレーンの性状より乳糜腹水と診断した.胃癌術後の乳糜漏と考え,第10病日よりオクトレオチド300μg/dayの皮下注射による投与を7日間行い,乳糜漏は一時改善したが,経口摂取再開後,再び乳糜漏が出現した.そのため.オクトレオチドを5日間追加皮下投与行ったところ,第28病日には経口摂取を開始後も乳糜漏の改善を認め第31病日にはドレーン抜去が可能となり退院可能となった.胃癌術後の乳糜漏は治療に難渋することがあるが,オクトレオチドの皮下投与が有効であると考えられた.

収録刊行物

被引用文献 (6)*注記

もっと見る

参考文献 (19)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ