慢性特発性大腸偽性腸閉塞症の経過中に脾捻転を起こした1例

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  • A CASE OF SPLENIC TORSION DURING OBSERVATION FOR CHRONIC IDIOPATHIC COLONIC PSEUDO-OBSTRUCTION

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抄録

症例は36歳,女性.既往歴に慢性特発性大腸偽性腸閉塞症(CICP)あり.平成21年3月某日より排便・排ガスが停止.2日後深夜に突然の下腹部痛が出現したため救急外来受診しイレウスの診断で入院となった.入院後保存的治療で軽快せず,大腸内視鏡でS状結腸部までの減圧を行った.一時症状は改善したものの,入院5日目から右側腹部痛,38℃台の発熱が出現した.腹部造影CT施行したところ,腹部正中に腫大した脾臓(18×6cm)があり,脾茎捻転と診断し開腹術を行った.術中所見では脾臓は20×13cm大に腫大しており脾門部にて反時計方向に3回捻転していたため,捻転を解除した後,脾摘術を施行した.これまでに遊走脾による脾捻転としてはその誘因となった事象について言及されたものは数例あり,その多くは外因的事象による.自験例は遊走脾からCICPにより腸管ガスが大量に増加したため,左上腹部に停滞し脾臓が移動,捻転をきたした内因的事象による可能性が示唆された.

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