肝門部胆管に魅せられて

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タイトル別名
  • Special concerning of the anatomy of hepatic hilum

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抄録

要旨:第45回日本胆道学会の会長講演として,肝門部の解剖研究の足跡と新しい研究結果について報告した.MDCTを駆使した肝臓の画像解剖研究の結果,門脈segmentationとドレナージ静脈から,右肝は前区域門脈に環流され中肝静脈にドレナージされる腹側区域と,右肝静脈にドレナージされる背側区域と,後区域に分けられることを報告した.この解剖の理解により,実に28%の症例において後区域肝管が背側区域肝管に合流する症例があるという新知見を発表した.またこの新解剖に沿った腹側区域+尾状葉全切除を,肝門部胆管癌に施行し,好結果を得た.また結合組織である肝門板の中を左右肝動脈の結合するアーケード(CA)が走行し,このCAは肝門部胆管の血流維持や尾状葉へも血流を供給している.尾状葉の門脈血流は肝門部から供給され,胆管は肝門部に合流するが,動脈に関しての研究はまだ不十分である.肝門部胆管癌や肝移植の手術成績向上のため,肝門部解剖のさらなる研究が必要である.<br>

収録刊行物

  • 胆道

    胆道 24 (1), 24-29, 2010

    日本胆道学会

参考文献 (10)*注記

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