子宮頸部病変における HPV genotype について

  • 竹原 和宏
    独立行政法人国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター婦人科
  • 中村 紘子
    独立行政法人国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター婦人科
  • 川上 洋介
    独立行政法人国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター婦人科
  • 西脇 森衛
    GLab 病理解析センター
  • 戸田 環
    独立行政法人国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター病理診断科
  • 西村 俊直
    独立行政法人国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター病理診断科
  • 藤本 貴美子
    独立行政法人国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター臨床検査科
  • 倉岡 和矢
    独立行政法人国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター病理診断科
  • 谷山 清己
    独立行政法人国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター臨床研究部

書誌事項

タイトル別名
  • Human papillomavirus genotype in uterine cervical lesions

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抄録

目的 : 子宮頸部細胞診中に異常所見のあった症例の HPV Typing を行い, 特に HPV 16, 18, 52, 58 型について検討した.<br>方法 : Thin Prep 法を用いた子宮頸部細胞診を 4522 例に行い, 異常所見が認められた症例についてマルチプレックス PCR 法 (PapiPlexTM) で HPV Typing を行った.<br>成績 : 4522 例中 ASC-US (atypical squamous cells of undetermined significance) 以上が認められた症例は 541 例であった. HPV は 346 例で検出され, HPV 陽性例の平均年齢は 38.3 歳, LSIL (low-grade squamous intraepithelial lesion) の 63.6%, HSIL (high-grade squamous intraepithelial lesion) の 83.1%が陽性であった. HPV 52, 16, 58 型の順に高頻度に検出され, 陽性率は 16 型 17.4%, 18 型 4.6%, 52 型 18.7%, 58 型 13.7%であった. HPV 16 型は 20∼40 歳代に検出のピークを認め, 50 歳代以降は減少傾向にあったが, HPV 52, 58 型では 20 歳代からの立ち上がりは緩やかでも 50 歳代以降も HSIL 以上の病変ともにある程度の割合で持続的に認められる傾向にあった.<br>結論 : わが国では子宮頸癌細胞診に HPV DNA 検査を併用する場合, HPV 16, 18 型にくわえ HPV 52, 58 型にも注意を払う必要がある.

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参考文献 (24)*注記

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