大腸癌手術症例に対する術後回復強化（Ｅｎｈａｎｃｅｄ　Ｒｅｃｏｖｅｒｙ　Ａｆｔｅｒ　Ｓｕｒｇｅｒｙ：ＥＲＡＳ）プロトコールの安全性と有効性の検討

• 太田 博文

  大阪府済生会千里病院外科

• 藤江 裕二郎

  大阪府済生会千里病院外科

• 福永 浩紀

  大阪府済生会千里病院外科

• 荻野 崇之

  大阪府済生会千里病院外科

• 前浦 義市

  大阪府済生会千里病院外科

書誌事項

タイトル別名

• Evaluation on Safety and Efficacy of an Enhanced Recovery After Surgery (ERAS) Protocol to Colorectal Cancer Patients

抄録

術後回復強化プロトコールenhanced recovery after surgery（ERAS）protocolは術後患者の生理的機能を維持させ術後回復を促進することが立証された一連の手法を組み入れた総合的実践計画である．ERASプロトコールを大腸癌手術症例に対し2008年2月から9月までは試験的に行い，10月からはクリニカルパスとして導入した．2008年2月から2009年9月までERASプロトコールを適応したAmerican Society of Anesthesiologists（ASA）class I/IIの大腸癌症例に対する大腸手術71例について検討した．中央値（範囲）は年齢67（35～81）歳で，術後第一排ガス時期postoperative day（POD）1（1～4），第一排便時期POD 2（1～5），食事開始時期POD1（1～6），五分粥摂取時期POD4（1～16），術後在院日数12（7～34）日であった．これらは2007年のASA class I/IIの症例の従来大腸手術パスの症例52例に比べ，それらすべての時期は有意に短縮していた（p<0.01）．再入院率，再手術率，術後死亡率や合併症率に関してはERASプロトコール群と従来大腸手術パス群で差がなかった．また，ERASプロトコールの完遂率は90.1％であった．今回の検討で当院のERASプロトコールは待機大腸癌手術に対しては安全に遂行でき，その有効性が示された．<br>

収録刊行物

• 日本大腸肛門病学会雑誌

  日本大腸肛門病学会雑誌 64 (4), 214-223, 2011

  日本大腸肛門病学会

キーワード

• 術後回復強化プロトコール
• 術後早期回復

詳細情報

• CRID: 1390282679830738048
• NII論文ID: 10028113173
• NII書誌ID: AN00195100
• DOI: 10.3862/jcoloproctology.64.214
• ISSN: 18829619
• ISSN: 00471801
• Web Site: http://www.jstage.jst.go.jp/article/jcoloproctology/64/4/64_4_214/_pdf
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2011187329
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可