アメーバ性大腸炎50症例の臨床的検討

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  • Clinical Investigation of 50 Amebic Colitis Cases

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抄録

当院とその関連施設で経験したアメーバ性大腸炎50症例について検討した.性別は男性48例,女性2例,平均年齢は43.3歳.初回内視鏡検査の正診率は62%(31/50例)であり,IBDと誤診された症例が10例見られた.罹患部位は回盲部のみが14例(28%),直腸のみが12例(24%),回盲部と直腸が13例(26%),広範囲の大腸が11例(22%)であった.症状として顕性出血を認めた症例は36例(72%)あったが,便潜血陽性精査の検査で発見された例も8例(16%)あった.便潜血陽性例は,いずれも病変が回盲部に限局している症例であった.内視鏡所見は白苔,出血,発赤,浮腫をともなう"汚い潰瘍",多発するアフタ,タコイボ様びらん,ヘビタマ様潰瘍などが特徴的所見であった.誤診,診断遅延症例が多いことから,初回検査時にアメーバ虫体が検出されなくとも,臨床的に疑わしい場合は腸管アメーバ症を念頭において治療すべきである.<br>

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