HTLV‐1キャリアーに穿孔性腹膜炎で発症した腸管型T細胞性悪性リンパ腫の1例

  • 山田 大作
    国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター外科 大阪大学大学院医学系研究科外科学講座消化器外科学
  • 小関 萬里
    市立芦屋病院外科
  • 富永 春海
    国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター外科

書誌事項

タイトル別名
  • A CASE REPORT OF ENTEROPATHY-TYPE T-CELL LYMPHOMA WITH JEJUNUM PERFORATION IN A JAPANESE PATIENT WITH HTLV-1 INFECTION

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抄録

症例は60歳,男性.急激な腹痛を主訴に来院.胃潰瘍の既往があり.また,肺癌の病期IIIBにて放射線化学療法施行中であった.腹部は板状硬で反跳痛を認め,間欠的な腹痛を訴えていた.家族歴に特記すべきことなく,血液検査では,炎症所見を認め,HTLV-1抗体が陽性であった.CTでは遊離ガス像と胃壁の肥厚を認め,消化性潰瘍穿孔と診断した.小腸の部分的な壁肥厚も認められ,同部位の観察も考慮に入れて緊急手術を施行した.開腹したところ,胃には穿孔を認めず,小腸に多発びまん性に粘膜下腫瘍を認めたため,病歴より肺癌の小腸転移を疑った.穿孔部はTreitz靱帯より60cmの空腸に認められ,部分切除を施行した.病理組織所見・免疫組織化学所見と合わせ,HTLV-1キャリアーに発症した腸管型T型細胞性悪性リンパ腫と診断した.若干の文献的考察を含めて報告した.

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被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (37)*注記

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