血管内超音波検査(IVUS)が診断に有効であった膝窩動脈外膜嚢腫の1例

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  • ADVENTITIAL CYSTIC DISEASE OF THE POPLITEAL ARTERY DIAGNOSED USING IVUS

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抄録

症例は68歳,男性.歩行時下肢痛と労作時胸痛にて当院受診となった.冠動脈CT,腰部MRI,CTアンギオグラフィーなどにて,冠動脈狭窄病変と右下肢閉塞性動脈硬化症を疑った.一期的なカテーテル治療が可能と判断し,冠動脈病変に対しステント留置術を行った.その後,右下肢動脈を造影したところ,動脈硬化性病変とは異なる所見が得られた.IVUSにて病変部位の詳細を調べたところ,膝窩動脈に外側より圧排する嚢腫性病変が見られた.血管内治療では十分な効果が得られないと考え,下肢病変に関しては後日改めて治療を行うこととした.退院後の下肢MRIでは,T2強調画像にて造影される境界明瞭な腫瘤病変が見られ,臨床所見,画像所見より,膝窩動脈外膜嚢腫を疑い腫瘤摘出術と血行再建術を行った.膝窩動脈外膜嚢腫は,血管内治療では再発性が指摘されており,IVUSによる術前診断は有用であると思われた.

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