オフィスにおける診療: 睡眠時呼吸障害の取り扱い

  • 久松 建一
    久松耳鼻咽喉科医院/いびき・睡眠時呼吸障害センター

書誌事項

タイトル別名
  • Treatment for sleep disordered breathing in outpatient clinics

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抄録

いびき, 過眠症を含めた睡眠時呼吸障害SRBDの診療における耳鼻咽喉科医の役割が極めて重要であることを述べた. 閉塞性睡眠時無呼吸低呼吸症候群OSAHSを中心にSRBDの総論, 検査, 保存的治療法に加えて新しい手術 (鼻腔整形術, コブレーションcoblationを用いる口蓋垂軟口蓋咽頭形成術cobUPPP) について述べた. 大きな鼻腔抵抗は上気道の陰圧を増強しSRBDを増悪させる. また経鼻的陽圧呼吸療法nCPAPを困難にする. 鼻科手術によってnCPAPを可能に出来る. 従来の鼻科手術はSRBDに効果がないと言われていたが, 鼻腔整形術はSRBDに対してより効果的でいびき, 過眠, 睡眠時無呼吸, 低呼吸, 動脈血酸素飽和度低下, 健康関連QOLを有意に改善する. cobUPPPは局所麻酔下で可能な外来手術で, 習熟すれば開業医も可能でありSRBDの診療に参加できる. cobUPPPと鼻腔整形術を段階的手術戦略として活用すればnCPAPからの脱出の可能性が増加する. 耳鼻咽喉科の診療領域にSRBDを取り込み, 治療への参加がこの病態解決の進歩に必要である.

収録刊行物

  • 口腔・咽頭科

    口腔・咽頭科 24 (1), 21-28, 2011

    日本口腔・咽頭科学会

参考文献 (24)*注記

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