小児の舌胞巣状軟部肉腫の1例

  • 佐藤 木の実
    北海道大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野
  • 折舘 伸彦
    北海道大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野
  • 福田 諭
    北海道大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Alveolar soft-part sarcoma of the tongue in a 3-year-old girl: A case report

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抄録

胞巣状軟部肉腫 (Alveolar soft-part sarcoma: 以下, ASPS) は非常に稀な疾患であり, 舌に生じるASPSは小児に多い傾向がある. 治療法は広範囲根治切除が唯一の選択肢となり, 緩徐な発育を示す腫瘍であるため切除可能であった場合には再発率は低く, 比較的予後良好である. 今回われわれは小児の舌ASPSを経験したので報告する. 原発巣に対しては血管内アプローチにより血流支配の評価を行い, 色素含有物質で血管内塞栓術を施行することで術中の出血を制御しつつまた, 塞栓後の染色領域から肉眼的な腫瘍浸潤範囲を評価することで必要最小限の腫瘍切除を施行した. しかし初診時すでに肺転移を認め, 転移巣は外科的切除後も再発を繰り返しており, 予後は不良と考えられる.

収録刊行物

  • 口腔・咽頭科

    口腔・咽頭科 24 (2), 163-166, 2011

    日本口腔・咽頭科学会

参考文献 (3)*注記

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