悪性関節リウマチに多発性小腸穿孔を合併した1例

書誌事項

タイトル別名
  • Multiple perforation of the small intestine in a patient with malignant rheumatoid arthritis

この論文をさがす

抄録

悪性関節リウマチに多発性小腸穿孔を合併した症例を経験し救命したので報告する。症例は50歳,女性。慢性関節リウマチで4年間diclofenac sodium 25mg 2錠/dayを内服していた。食欲低下,歩行困難,全身関節痛が出現し,1か月後には歩行不能となって近医に入院した。胸部単純X線検査でfree airを認め,消化管穿孔の診断で当院紹介入院となった。緊急開腹術で絞扼性イレウスによる小腸広範囲壊死穿孔と診断し,3箇所の小腸穿孔部を含め広範(約2m)な小腸切除を施行した。手術後人工呼吸器離脱を試みたが呼吸不全を繰り返し,四肢筋力低下,構音障害が出現した。小腸の切除標本で動脈炎の所見を認め,悪性関節リウマチに合併した小腸穿孔と診断した。本症例は,術後,腸管吻合不全,肺炎,脳幹梗塞,心嚢炎等の合併症を併発したが,ステロイド療法,血漿交換を施行し,救命することができた。悪性関節リウマチの小腸穿孔で動脈炎の程度が高度の場合,腸管吻合を避ける術式を考慮すべきである。

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (14)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ