口蓋裂周術期に無呼吸発作を合併した18q-症候群の治療経験

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  • Perioperative Management of 18q- syndrome: A Case Report of a Patient with a Cleft Palate

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抄録

18q-症候群の発生頻度は40,000出生に1人,男女比は2:3といわれており,顔貌・四肢・外性器の異常や神経学的異常等を様々な程度に合併する。<br>症例は18q-症候群の3歳男児である。中顔面の低形成,耳介変形,四肢の形態異常,先天性心疾患,精神発達遅滞,発育遅滞等を合併していた。口蓋裂に対し全身麻酔下に口蓋形成術を行った後より無呼吸発作の頻発を認めたが,酸素投与による経過観察でその頻度は減少し,その後は問題なく経過した。これは18q-症候群に合併する複雑部分発作(自立神経発作)が麻酔等により誘発され頻発したものと考えられた。18q-症候群は多様な合併症のために,周術期の問題点としてこの他にも肺合併症,循環器予備力の低下,気道確保の困難さ,易感染性等が指摘されており,本症候群に対する手術を行う際には慎重な対応を要する。

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