下部進行直腸癌に対する側方リンパ節郭清の臨床的評価

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  • CLINICAL EVALUATION OF THE LATERAL LYMPH NODE DISSECTION FOR THE TREATMENT OF ADVANCED LOWER RECTAL CANCERS

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抄録

方法:1990年から2007年までに治癒切除が行われた病理学的壁深達度A以深の下部直腸癌225例を対象とし,臨床病理学的因子と治療成績の関連について検討した.結果:対象の内訳は側方郭清群183例非郭清群42例であった.両群間の背景因子に差は認めなかった.側方リンパ節再発は郭清群が9.8%,非郭清群が14.3%であり,有意差を認めなかった.累積生存において多変量解析の結果,側方郭清を行わないことが独立した予後不良因子であった.側方リンパ節転移陽性例の術後再発率は70.7%と高く,血行性再発率も43.9%と有意に高かった.5年生存率も非陽性例の69.2%に対して29.0%と低率であり,累積生存率も有意に不良であった.考察:進行下部直腸癌に対する側方郭清は,非施行例と比較して予後を改善する可能性が示唆されたが,側方リンパ節転移陽性は術後再発が多く予後も著しく不良のため,治療成績改善のためには術後に放射線化学療法などを考慮した集学的治療の検討が必要と考える.

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