茵ちん蒿湯による薬物性肝障害が疑われた1例

書誌事項

タイトル別名
  • Case of suspected drug-induced liver injury caused by Inchinko-To
  • 症例報告 茵[チン]蒿湯による薬物性肝障害が疑われた1例
  • ショウレイ ホウコク イン チン コウトウ ニ ヨル ヤクブツセイ カン ショウガイ ガ ウタガワレタ 1レイ

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抄録

症例は69歳,女性.2010年7月初旬に関節リウマチに対してサラゾスルファピリジンの内服を開始,内服3週間後に肝障害を認め薬物性肝障害と診断された.同剤休薬後に肝胆道酵素は低下したが,黄疸が遷延するために8月下旬に当科へ紹介された.ウイルス性肝炎,自己免疫性肝疾患,閉塞性黄疸はいずれも否定された.プレドニゾロン,ウルソデオキシコール酸投与とビリルビン吸着療法を施行するも黄疸は改善せず,第14病日から茵ちん蒿湯の内服を開始した.茵ちん蒿湯開始後に黄疸は改善したが第30病日から再度肝胆道酵素の上昇を認めた.茵ちん蒿湯を中止したところ肝障害は速やかに改善した.茵ちん蒿湯による薬物性肝障害の報告例は稀であり,報告する.<br>

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 52 (6), 356-360, 2011

    一般社団法人 日本肝臓学会

参考文献 (29)*注記

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