ラジオ波焼灼中の組織インピーダンスの経時的波形変化が対極板熱傷の発生を反映していた症例の波形解析

書誌事項

タイトル別名
  • Analysis of tissue impedance waveform reflecting in a grounding pad burn during radiofrequency ablation
  • 症例報告 ラジオ波焼灼中の組織インピーダンスの経時的波形変化が対極板熱傷の発生を反映していた症例の波形解析
  • ショウレイ ホウコク ラジオハ ショウシャク チュウ ノ ソシキ インピーダンス ノ ケイジテキ ハケイ ヘンカ ガ タイキョクバン ネッショウ ノ ハッセイ オ ハンエイ シテ イタ ショウレイ ノ ハケイ カイセキ

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抄録

我々は経皮的ラジオ波焼灼療法(以下,RFAと略記)後に対極板貼付部の皮膚にII度の熱傷を生じた症例を経験した.当症例は焼灼中モニタリングしていた組織インピーダンス(以下,IMPと略記)波形の経時的変化が通常の焼灼中変化と異なっていた.症例は70歳代男性.2個の肝細胞癌結節に対して2セッションに分けてRFAを行った.1セッション目の焼灼中,患者に不穏・体動があり抑制を要した.この時,IMPの経時的変化は超音波画像上,焼灼によるバブルの発生を認めない段階で急激に上昇する通常では見られない波形が出現した.2セッション目においては通常,焼灼開始と同時に低下するIMPが焼灼開始時に上昇する波形が出現した.翌日,対極板貼付部位に熱傷を認め,焼灼中の対極板の剥がれが原因と考えられた.焼灼中,対極板剥がれが起こると通常とは異なるIMP波形が出現するため,IMPの経時的モニタリングを行うことは対極板剥がれに起因する熱傷を早期発見・防止することに有用である.<br>

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 52 (6), 361-367, 2011

    一般社団法人 日本肝臓学会

参考文献 (9)*注記

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