水田放牧地における飼料稲および稲発酵粗飼料摂取が黒毛和種ならびにジャージー種経産牛の胸最長筋の肉色と脂質安定化に及ぼす影響

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抄録

水田放牧地において牧草や立毛状態の飼料イネならびに稲発酵粗飼料を摂取した経産牛の牛肉中へのa-トコフェロールの蓄積ならびに肉色変化と脂質安定化に及ぼす影響を検討した。試験牛として放牧を行った黒毛和種雌牛(放牧黒毛雌区)ならびにジャージー種雌牛(放牧ジャージー雌区)、対照牛として放牧を行わないジャージー種雌牛(無放牧ジャージー雌区)ならびに黒毛和種去勢牛(慣行黒毛去勢区)を用い、胸最長筋のa-トコフェロール含量、牛肉色素の褐色化の指標であるメトミオグロビン割合、および脂質酸化の指標であるチオバルビツール酸反応物値(TBARS値)の冷蔵保存中の経時変化を検討した。放牧黒毛雌区および放牧ジャージー雌区の胸最長筋肉中a-トコフェロール含量は、無放牧ジャージー雌区ならびに慣行黒毛去勢区より有意に高くなった。冷蔵保存7日目における放牧黒毛雌区ならびに放牧ジャージー雌区のメトミオグロビン割合は無放牧ジャージー雌区より低い傾向にあった。冷蔵保存13日目におけるTBARS値は、放牧黒毛雌区ならびに放牧ジャージー雌区が無放牧ジャージー雌区ならびに慣行黒毛去勢区より低い傾向にあった。以上より、水田放牧地において牧草や立毛状態の飼料イネならびに稲発酵粗飼料を摂取することにより黒毛和種およびジャージー種経産牛の胸最長筋a-トコフェロール含量は増加し、 冷蔵保存中の牛肉色素の変色防止および脂質酸化が抑制されることが示された。

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