広汎な皮下気腫をきたした超高齢者大腿ヘルニア嵌頓の1例

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  • Oldest–Old Incarcerated Femoral Hernia with Widespread Subcutaneous Emphysema: a Case Report

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抄録

症例は91歳の女性.2006年12月から右下腹部の違和感があり,2007年1月から時々心窩部痛と嘔吐を認め,次第に食欲が低下した.2007年2月初旬に近医を受診し,胆石胆嚢炎の診断で消化器内科に紹介となった.同日経皮経肝胆嚢ドレナージを施行したが,その際に皮下気腫を認めたためCTを撮影したところ右鼠径部に小腸との連続が疑われる皮下膿瘍と右鼠径部から右側胸部に及ぶ広汎な皮下気腫を認めた.Richter型大腿ヘルニア嵌頓による皮下膿瘍,皮下気腫の診断で同日小腸部分切除,大腿ヘルニア根治術を施行した.径2cmのヘルニア門に回腸末端から60cm口側の回腸が癒着しRichter型に嵌頓し,壊死・膿瘍形成をきたしていた.術後に創感染,静脈血栓など合併症を認めたが第90病日に軽快退院となった.広汎な皮下気腫をきたし,手術にて救命しえた超高齢者の大腿ヘルニア嵌頓症例を経験したので報告した.

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参考文献 (21)*注記

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