血液透析症例における循環血液量および血管透過性の把握方法  ‐Pulse dye-densitometryによる実測と推測式の差異に関して‐

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  • Evaluation of circulating blood volume and vascular permeability in long-term hemodialysis patients -With or without a difference between values measured by Pulse dye-densitometry and calculated using prediction formulas-
  • 血液透析症例における循環血液量および血管透過性の把握方法--Pulse dye-densitometryによる実測と推測式の差異に関して
  • ケツエキ トウセキ ショウレイ ニ オケル ジュンカン ケツエキリョウ オヨビ ケッカン トウカセイ ノ ハアク ホウホウ Pulse dye densitometry ニ ヨル ジッソク ト スイソクシキ ノ サイ ニ カンシテ
  • Evaluation of circulating blood volume and vascular permeability in long-term hemodialysis patients
  • -With or without a difference between values measured by Pulse dye-densitometry and calculated using prediction formulas-
  • ―Pulse dye-densitometryによる実測と推測式の差異に関して―

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抄録

血液透析(HD)症例における循環血液量(CBV)の評価は相対的変化の把握が主であり,絶対値の評価はほとんどなされていない.今回,維持HD症例15例を対象に,Pulse dye-densitometry(PDD)を用いてHD前後にCBVの実測(CBV-PDD)を施行し,CBV推測式との関連,さらには実測CBVおよびCBV推測式より得られる血管透過性の指標との差異に関して検討を加えた.CBV推測式は,一般的に使用される体重の7.7%がCBVであるとする方法(CBV1)に加えて,体表面積に基づく方法(CBV2),身長と体重に基づく方法(CBV3)を用いて,さらに血管透過性の指標としてplasma refilling rate(PRR)および血管透過性係数(mean Kr)を使用して検討を加えた.HD前におけるCBV-PDDとCBV1,CBV2,CBV3との間にはそれぞれ有意な正相関を認めた(CBV-PDD vs. CBV1;r=0.56,vs. CBV2;r=0.60,vs. CBV3;r=0.58,それぞれp<0.05).また,Bland-Altman分析においてもCBV-PDDと推測式それぞれには有意な差異を認めなかった.CBV-PDDおよび推測式(CBV1)から算出したPRRに有意な差異を認めず(CBV-PDD;86.9±1.8,CBV1;87.9±1.7%),mean Krにも差異を認めなかった(CBV-PDD;2.5±0.4,CBV1;2.6±0.4 mL/min/mmHg).以上より,従来までのCBV推測式を用いた体液管理は,CBV-PDDと相同性を有し血管透過性の指標の把握にも差を認めないことより,臨床的に有用であると考えられた.

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