トランスレーショナルリサーチに向けた病理学的研究-消化管がんの新規診断マーカー・治療標的の同定

  • 大上 直秀
    広島大学 大学院 医歯薬学総合研究科 分子病理学研究室
  • 仙谷 和弘
    広島大学 大学院 医歯薬学総合研究科 分子病理学研究室
  • 坂本 直也
    広島大学 大学院 医歯薬学総合研究科 分子病理学研究室
  • 安井 弥
    広島大学 大学院 医歯薬学総合研究科 分子病理学研究室

書誌事項

タイトル別名
  • Identification of novel diagnostic and therapeutic targets of gastric cancer by SAGE and CAST analysis
  • 創薬シリーズ(5)トランスレーショナルリサーチ(16)トランスレーショナルリサーチに向けた病理学的研究--消化管がんの新規診断マーカー・治療標的の同定
  • ソウヤク シリーズ 5 トランスレーショナルリサーチ 16 トランスレーショナルリサーチ ニ ムケタ ビョウリガクテキ ケンキュウ ショウカカン ガン ノ シンキ シンダン マーカー チリョウ ヒョウテキ ノ ドウテイ

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抄録

がん細胞特異的に存在し,全身正常組織に存在しない分子は,分泌タンパク質であれば血清腫瘍マーカーとして,細胞表面タンパク質であれば治療の標的分子として期待される.著者らの研究室では,SAGE法・CAST法を用いて消化管がん,特に胃がんに特異性の高い遺伝子の探索を行っている.SAGE法から同定された胃がんに特異性の高い遺伝子はREG4OLFM4MIAMMP10DKK4 等で,REG4 遺伝子がコードするReg IV,OLFM4 遺伝子がコードするオルファクトメジン4(olfactomedin 4)はいずれも分泌タンパク質であり,胃がん診断における高感度血清マーカーである.CAST法から同定されたDSC2 遺伝子は細胞間接着分子デスモコリン2(desmocollin 2)をコードしており,腸型粘液形質を有する胃がんの細胞表面に発現していることから,診断マーカー・治療標的として有用である.

収録刊行物

  • 日本薬理学雑誌

    日本薬理学雑誌 137 (3), 146-149, 2011

    公益社団法人 日本薬理学会

参考文献 (31)*注記

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