免疫抑制剤減量のみで寛解に至った中枢神経原発移植後リンパ増殖性疾患

書誌事項

タイトル別名
  • Remission induced by dose-reduction of immunosuppressants alone in a patient with post-transplant lymphoproliferative disorder of central nervous system origin
  • 症例報告 免疫抑制剤減量のみで寛解に至った中枢神経原発移植後リンパ増殖性疾患
  • ショウレイ ホウコク メンエキ ヨクセイザイ ゲンリョウ ノミ デ カンカイ ニ イタッタ チュウスウ シンケイ ゲンパツ イショク ゴ リンパ ゾウショクセイ シッカン

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抄録

症例は43歳男性。7年前に生体腎移植を施行され問題なく経過していたが,頭痛を主訴に近医を受診。脳腫瘍を指摘され当院紹介となった。生検で多型性を持つ異型リンパ球の増殖が認められ,これらはEBER, LMP-1が陽性であった。中枢神経原発リンパ増殖性疾患(primary central nervous system post-transplant lymphoproliferative disorder; PCNS-PTLD)と診断し免疫抑制剤を減量に続いて,化学療法・放射線療法を予定したが,治療開始前のMRIで腫瘍の縮小を認め化学療法を中止した。経時的に画像検査を行ったところ,発症後9ヶ月目に腫瘍は消失した。移植後にPTLDが発症することが知られており,免疫抑制剤の減量・中止により改善する例も多いが,PCNS-PTLDで免疫抑制剤減量のみで寛解に至った例は稀であり,貴重な症例と考えられたため報告する。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 52 (5), 272-277, 2011

    一般社団法人 日本血液学会

参考文献 (15)*注記

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