全身性強皮症に伴う偽性腸閉塞に対してメトロニダゾールが有用であった一例

• 東 直人

  兵庫医科大学　内科学　リウマチ・膠原病科

• 西岡 亜紀

  兵庫医科大学　内科学　リウマチ・膠原病科

• 飯塚 政弘

  日本赤十字社秋田赤十字病院　あきた健康管理センター

• 松井 聖

  兵庫医科大学　内科学　リウマチ・膠原病科

• 藤田 計行

  兵庫医科大学　内科学　リウマチ・膠原病科

• 日野 拓耶

  兵庫医科大学　内科学　リウマチ・膠原病科

• 岡部 みか

  兵庫医科大学　内科学　リウマチ・膠原病科

• 森本 麻衣

  兵庫医科大学　内科学　リウマチ・膠原病科

• 関口 昌弘

  兵庫医科大学　内科学　リウマチ・膠原病科

• 北野 将康

  兵庫医科大学　内科学　リウマチ・膠原病科

• 橋本 尚明

  兵庫医科大学　内科学　リウマチ・膠原病科

• 佐野 統

  兵庫医科大学　内科学　リウマチ・膠原病科

書誌事項

タイトル別名

• Marked efficacy of metronidazole for the intestinal pseudoobstruction associated with systemic sclerosis

抄録

  57才，女性．2000年より近医で関節リウマチに対して各種抗リウマチ薬で加療を受けていたが，症状持続．併存する間質性肺炎（IP）の増悪のため2009年5月当科入院．入院時，手指腫脹，手指から前腕，顔面，前胸部の皮膚硬化，レイノー現象，指尖部潰瘍，舌小帯短縮，食道拡張などを認め，アメリカリウマチ学会分類予備基準（1980年）に基づき全身性強皮症（SSc）と診断．ステロイドパルス療法でIPは改善したが，腹満感，嘔気が出現．腹部CTで小腸・大腸の著しい拡張，腸管壁内空気と腹腔内free airを認め，SScに伴う偽性腸閉塞，腸壁嚢状気腫症およびpneumoperitoneumと診断．絶飲食，イレウス管挿入による減圧で改善し，各種消化管機能調整薬とエリスロマイシン（EM）を開始したが，経口摂食再開後再燃した．EMを中止し，メトロニダゾールを開始したところ4日目には腹部X線写真上腸管ガスの減少を認め，腹部症状も改善した．その後も再燃徴候は認めていない．メトロニダゾールの嫌気性菌抑制効果は知られているが，SScに伴う偽性腸閉塞に対して著効したという報告はほとんどされていない．メトロニダゾールは根本的治療法ではないが，有用な治療法の一つと考えられた．<br>

収録刊行物

• 日本臨床免疫学会会誌

  日本臨床免疫学会会誌 34 (1), 53-61, 2011

  日本臨床免疫学会

キーワード

• anaerobic bacteria
• bacterial overgrowth
• metronidazole
• pseudo-obstruction
• systemic sclerosis

詳細情報

• CRID: 1390001204651703936
• NII論文ID: 10029431813
• NII書誌ID: AN00357971
• DOI: 10.2177/jsci.34.53
• ISSN: 13497413
• ISSN: 09114300
• PubMed: 21372514
• Web Site: http://www.jstage.jst.go.jp/article/jsci/34/1/34_1_53/_pdf
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2011271252
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • Crossref
  • PubMed
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可