原発性肺癌術後に顕在化し，出血のコントロールとそれに続く膿胸の治療に難渋した後天性血友病Ａの１例

• 福本 紘一

  名古屋大学　呼吸器外科

• 川口 晃司

  名古屋大学　呼吸器外科

• 岡川 武日児

  名古屋大学　呼吸器外科

• 岡阪 敏樹

  名古屋大学　呼吸器外科

• 宇佐美 範恭

  名古屋大学　呼吸器外科

• 横井 香平

  名古屋大学　呼吸器外科

書誌事項

タイトル別名

• Acquired hemophilia A developing after pulmonary resection for primary lung cancer

抄録

症例は72歳，男性．2010年3月に肺癌に対して右肺上葉切除術＋縦隔リンパ節郭清を施行し，pT2aN1M0，stage II Aの腺癌であった．術後第3病日と第13病日に右胸腔内出血をきたし，2度の開胸血腫除去術を施行した．精査にて第VIII凝固因子活性の低下を認め，また第VIII凝固因子に対するインヒビターが検出され出血の原因は後天性血友病Aと診断された．さらに無瘻性膿胸・敗血症をきたしたが，開窓術と慎重な全身管理により術後第243病日に退院した．後天性血友病Aが術後に顕在化することは極めて稀であるが，本例のごとく重篤な病態を招くこともあるため，術後に原因不明の出血傾向を認めた場合には本疾患の可能性を念頭に置く必要があると思われる．

収録刊行物

• 日本呼吸器外科学会雑誌

  日本呼吸器外科学会雑誌 25 (6), 683-686, 2011

  特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会

キーワード

• 原発性肺癌
• 第VIII因子インヒビター
• 後天性血友病A

詳細情報

• CRID: 1390282679337301504
• NII論文ID: 10029458804
• NII書誌ID: AN10467885
• DOI: 10.2995/jacsurg.25.683
• ISSN: 18814158
• ISSN: 09190945
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2011353758
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可