Hodgkin/Reed‐Sternberg様細胞を伴った甲状腺の濾胞辺縁帯B細胞リンパ腫の1例

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タイトル別名
  • A case of primary thyroid gland marginal zone B-cell lymphoma

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抄録

背景 : B 細胞性小細胞性リンパ腫のような低悪性度 B リンパ腫の腫瘍細胞の一部に Epstein-Barr virus (EBV) が感染することで, ホジキンリンパ腫との複合リンパ腫類似の組織像を呈することが知られている. 今回, ホジキンリンパ腫類似の細胞所見を呈した, 甲状腺の濾胞辺縁帯 B 細胞リンパ腫の 1 例を経験したので報告する.<br>症例 : 83 歳, 女性. 前頸部腫脹を主訴に当センターを紹介受診. 当院 Computed Tomography で甲状腺右葉を中心に縦隔に及ぶ巨大な腫瘍が認められた. 摘出された頸部リンパ節の捺印標本では, 溶血性背景に大小のリンパ球, 類上皮細胞に加え核小体の明瞭な 2 核細胞や大型の異型細胞が認められた. 組織標本では小型リンパ球, 核腫大した組織球, 類上皮細胞を背景に単球様 B 細胞がシート状に増殖し, 巨細胞も散見された. In situ hybridization 法で EBV-encoded small RNA が Reed-Sternberg (RS) 細胞類似の巨細胞を含む多くの腫瘍細胞で陽性を示した.<br>結論 : 本症例のように低悪性度 B リンパ腫の腫瘍細胞の一部に EBV が感染することで, ホジキンリンパ腫に出現する RS 細胞類似の細胞を伴う症例が存在すると思われる.

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参考文献 (14)*注記

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