厚朴七物湯の病態とその運用

書誌事項

タイトル別名
  • Kobokushichimotsuto (Mongolia Seven Combination); Its Mechanism of Disease and Application
  • 臨床報告 厚朴七物湯の病態とその運用
  • リンショウ ホウコク コウボク シチモツトウ ノ ビョウタイ ト ソノ ウンヨウ

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抄録

厚朴七物湯が有効であった35症例と,先人の見解,治験例を礎とし,その立方の趣旨と病態を考察した。厚朴七物湯に関する先人の意見は二群に分類される。A群は,外感証に属し,外感による表証(桂枝湯証)に続いて裏熱証(厚朴三物湯証)が現れ,二証の併存した病態となるが,表証より裏証が重いため,その治法は二薬方の合方で表裏双解である。B群は,陰虚内熱に起因し,その病態には厚朴三物湯の加味方が適応するとしている。そして内熱が実熱証に属すか,虚熱証に属すかで脈候,腹候の虚実,食思の程度が異なる。厚朴七物湯に芍薬が用いられていないのは,胃熱の胸部への波及により現れる胸部症候に対応するためである。報告例は感冒に食傷を挟むもの,腹満を伴う胃腸疾患,呼吸器疾患,イレウス等であるが,神経症,精神疾患,腰痛症にも運用が可能である。

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参考文献 (46)*注記

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