ゲイ・バイセクシュアル男性における HIV 感染予防行動のステージと関連要因 大阪市内での商業施設利用者への質問紙調査から

書誌事項

タイトル別名
  • Condom use staging and correlations among gay and bisexual men A questionnaire survey of Osaka gay bar customers
  • ゲイ バイセクシュアル ダンセイ ニ オケル HIV カンセン ヨボウ コウドウ ノ ステージ ト カンレン ヨウイン オオサカ シナイ デ ノ ショウギョウ シセツ リヨウシャ エ ノ シツモンシ チョウサ カラ

この論文をさがす

抄録

目的 大阪市内の商業施設を利用するゲイ•バイセクシュアル男性における相手別のコンドーム使用のステージの分布を明らかにすること,ステージと予防への態度や規範等の要因との関連を明らかにすることである。<br/>方法 NGO である MASH 大阪が予防啓発を行っている商業施設の協力を得て質問紙を用いた断面調査を実施した。1,340部の質問紙を配布し郵送により601件の有効回答を得た。対象者のコンドーム使用状況,性行為の相手の種類別に,無関心期群,関心期群,準備期群,行動期群,維持期群に分類し分布を明らかにした。さらに関心期群と準備期,行動期と維持期はそれぞれ 1 つの群にまとめ,無関心期群,関心•準備期群,行動•維持期群の 3 群に分類し,群間での各要因との関連の検討を行った。さらにコンドーム使用のステージを従属変数,関連要因を独立変数とし,多重ロジスティック回帰モデルを用いた解析を行った。<br/>結果 全有効回答数601件(回収率44.9%)のうち男性と性経験を有する546人のデータを分析対象とした。対象者のコンドーム使用のステージ分類を行ったところ,特定相手とのコンドーム使用のステージは無関心期が最も多く,その場限りの相手とは維持期が最も多かった。MASH 大阪の予防啓発資材の受け取り率は,全ステージ群において 7 割を超えていた。相手がコンドームなしでの性交を望んだ際の使用の困難感,交際期間の長さに起因するコンドーム使用の困難感,薬物やアルコール使用時のコンドーム使用の困難感,状況に左右されないコンドーム使用への自信がコンドーム使用のステージに関連していた。<br/>結論 商業施設を利用するゲイ•バイセクシュアル男性のコンドーム使用のステージと関連要因が明らかとなった。今後は質問項目の信頼性や妥当性の検討を行い,同様の調査を経年的に実施することで予防啓発活動の評価に資するデータを得ることができる可能性がある。

収録刊行物

参考文献 (26)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ