東京医科大学病院眼科における視野検査の実態と変遷

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  • The Present State and Transition in the Visual Field Examinations in the Department of Ophthalmology at Tokyo Medical University Hospital

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抄録

我々は以前、東京医大病院眼科における1988年~1990年の視野検査の実態を報告しているが、今回はその後の実態について改めて調査するとともに、視野検査のあり方について再考した。対象は1988年、1998年、2008年に当科で視野検査を施行した症例で、各年度における検査眼数、年齢分布、疾患別割合、測定法について比較した。その結果、<BR>1)視野検査を施行した延べ眼数は1988年:1233例2350眼、1998年:2669例5101眼、2008年:3762例7275眼であった。また、年間の当科受診者総数のうち視野検査施行患者数の割合は、それぞれ1988年:2%、1998年:4%、2008年:6%であった。<BR>2)年齢層の割合で最も多かったのは、1988年:60歳代(24%)、1998年:60歳代(26%)、2008年:70歳代(25%)であった。<BR>3)疾患は各年とも緑内障が半数以上を占め、次いで視神経・頭蓋内疾患、網膜疾患であった。<BR>4)測定法については、静的量的視野測定で施行した眼数が1988年:48%、1998年:52%、2008年:73%であった。2008年の調査では、緑内障の症例の90%が静的量的視野測定を、視神経・頭蓋内疾患の症例の73%が動的量的視野測定を行っていた。<BR> 近年、視野検査の需要は確実に増加しており、被検者の高齢化がみられる。したがって今後はこれまで以上に、疾患の性質や全身状態を把握した上で適切な検査法を行うことが求められ、そのように工夫することが検査の効率の向上につながると考えられる。

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