耳鼻咽喉科における禁煙外来の検討

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical Study of Smoking Cessation Clinic Subjects
  • ジビ インコウカ ニ オケル キンエン ガイライ ノ ケントウ

この論文をさがす

抄録

禁煙推進はタバコ関連疾患を減少させる唯一の方法である. タバコ関連疾患を治療する機会の多いわれわれ耳鼻咽喉科医は, 禁煙指導および治療を担うべきと考えられる. 今回, 昭和大学横浜市北部病院耳鼻咽喉科外来にて禁煙専門外来を開設したので, 治療成績と問題点を中心に若干の文献的考察を加え報告する. 対象は, 同病院耳鼻咽喉科外来通院中の患者で, 禁煙外来受診希望のあった患者30例とした. 方法は, 禁煙治療のための標準手順書に沿って12週間の標準プログラムに基づいて治療した症例22例に対し, プログラム完遂率, 禁煙成功率, 副作用発現率を算出し, アンケートにより禁煙治療における重要な因子を調査した. 標準プログラムの完遂率は90%, 禁煙成功率は68%と比較的よい成績であった. 副作用は, バレニクリンで嘔気40%, 異常な夢25%, 眠気15%, 腹痛5%であった. また, 禁煙に際して何が重要だったかというアンケートにおいて, 医師の指導が最も重要と回答した症例が69%であった. この理由として, 当科では耳鼻咽喉科一般診療と禁煙治療を並行して行っているため禁煙外来終了後も, 耳鼻咽喉科一般外来の通院を継続する必要があり, 医師患者の信頼関係が構築しやすいことが挙げられる. バレニクリンでは, 嘔気の副作用が40%と高率であったが, いずれも内服を中止するほどではなかった. 禁煙治療には医師の問診や面談が重要と考えられた.

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (15)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ