RSウイルス感染と小児気管支喘息の発症

書誌事項

タイトル別名
  • Respiratory Syncytial Virus(RSV) infection and development for pediatric asthma

この論文をさがす

抄録

小児気管支喘息のフェノタイプについて,ウイルス感染により発症するvirus-induced asthmaについて述べる.乳幼児の気管支喘息は,ウイルス感染によって誘発される喘息が多く,気道リモデリングを起こす可能性も報告されている.そのため,JPGL 2008あるいはPRACTALL Consensus Reportでは,喘息における発症および増悪因子のひとつとして,アレルゲンとともに気道ウイルス感染を重要視している.本稿では,著者らの成績を中心にRSウイルス細気管支炎と気管支喘息発症の関連性について概説した.RSウイルス感染で起こる重症細気管支炎患児において,1)クレオラ体陽性の乳児は,5年以内に気管支喘息になりやすい2)遺伝的にTh1系のサイトカインであるIFN-γ産生障害がある場合喘息になりやすい3)抗RSウイルスヒト化モノクローナル抗体であるパリビズマブ投与により3歳までの反復性喘鳴が抑制される.以上の成績から,Virus-induced asthmaに対する早期介入が重要と考えられる.さらに,乳児期のRSウイルスによる重症細気管支炎の予防が,本邦特有のダニによるアトピー型喘息発症を抑制するか否かの結果が注目されている.

収録刊行物

被引用文献 (2)*注記

もっと見る

参考文献 (47)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ