ストリッピング術後に残存する下腿部伏在静脈の逆流と不全穿通枝が下肢静脈機能に及ぼす影響

書誌事項

タイトル別名
  • Venous Function with Incompetent Calf Saphenous Vein and Perforating Veins after Stripping

この論文をさがす

抄録

<p>大伏在静脈型の下肢静脈瘤で,膝下までの選択的ストリッピングを行った場合,術後に下腿部伏在静脈の逆流と不全穿通枝が残存する場合がある.この残存が下肢静脈機能に与える影響を分析した.片側の大伏在静脈型の下肢静脈瘤131例(131肢)を対象として,術後1年目に下腿部伏在静脈に逆流が残存するか否かでR(+)(−)群,有意な不全穿通枝が残存するか否かでC(+)(−)群に分類し,空気容積脈波で下肢静脈機能を評価した.R(−)は83肢,R(+)は48肢であり,venous filling index(VFI)はそれぞれ,術前平均4.5 ml/secと4.5 ml/secで差がなく1年目では1.3 ml/sec,1.6ml/secとR(+)群で若干高かった.一方,C(−)は116肢,C(+)は15肢で,VFIはそれぞれ術前平均4.2 ml/sec,6.8 ml/sec,1年目では1.4 ml/sec,1.9 ml/secとC(+)群のほうが高かった.すなわち,術後に残存する下腿部伏在静脈の逆流よりも,残存する不全穿通枝の有無がvenous filling index(VFI)に与える影響のほうが大きかった.ただし,自覚症状の問診では群間の差が少なく,手術の満足度はいずれの群も高かった.</p>

収録刊行物

  • 静脈学

    静脈学 22 (3), 239-244, 2011

    日本静脈学会

参考文献 (16)*注記

もっと見る

詳細情報

問題の指摘

ページトップへ