術後8カ月目に肝転移,腹膜播種にて再発した虫垂低分化腺癌の1例

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  • A CASE OF LIVER METASTASIS AND PERITONEAL DISSEMINATION FROM A POORLY DIFFERENTIATED APPENDICEAL ADENOCARCINOMA PRESENTING EIGHT MONTHS AFTER THE INITIAL OPERATION

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抄録

急性虫垂炎を契機に虫垂低分化腺癌と診断され,術後8カ月で肝転移,腹膜播種にて再発した症例を経験したので報告する.症例は86歳,男性.右下腹部痛にて近医受診した.CTにて虫垂の腫大を認め急性虫垂炎と診断された.当院紹介となり,手術を施行した.虫垂根部の炎症が強かったため回盲部切除術を施行した.切除標本の病理組織検査では虫垂全体に強い好中球浸潤,壊死を認めた.また虫垂根部に腺管形成の不明瞭な低分化腺癌が浸潤しており,虫垂低分化腺癌と診断した.深達度seであったためリンパ節郭清を伴う追加切除を勧めたがご本人が手術を拒否され,また化学療法も拒否されたため経過観察のみを行った.しかし術後8カ月目にPET/CTにて肝転移と腹膜播種を認め,虫垂癌の再発と診断した.虫垂低分化腺癌はまれであり,また術後早期に再発した症例の報告例もほとんどないため文献的考察を加え報告する.

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