腹腔鏡下手術を施行した多隔壁胆嚢の1例

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  • A CASE OF LAPAROSCOPIC CHOLECYSTECTOMY FOR MULTISEPTATE GALLBLADDER

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抄録

症例は29歳,男性.検診の腹部超音波で胆嚢内部に隔壁様所見を認めた.CTでは胆嚢内に多発する嚢胞様構造を認めた.MRIでは胆嚢は萎縮し,小嚢胞状構造の集簇を認めた.EUSで胆嚢内腔に隔壁構造を認めるが,結節や腫瘤はなく,胆嚢壁の肥厚も認めなかった.これらより多隔壁胆嚢を第一に考え,腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した.摘出標本では胆嚢内腔は薄い隔壁で境され,交通を認めた.病理組織診断では嚢胞壁の内面は高円柱上皮で被覆され,隔壁には平滑筋成分も多く分布していた.多隔壁胆嚢は非常にまれな先天奇形で,胆嚢内腔がブドウの房状に多数の部分に分けられている形態異常である.今回,われわれはEUSによってより診断が確実となり,腹腔鏡下手術を施行した多隔壁胆嚢の1例を経験したので,文献的考察を加え報告する.

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参考文献 (18)*注記

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