肝血管筋脂肪腫との鑑別が困難であった高度脂肪化を伴う大型高分化型肝細胞癌の1例

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タイトル別名
  • A CASE OF WELL-DIFFERENTIATED HEPATOCELLULAR CARCINOMA DIFFICULT TO DISTINGUISH FROM HEPATIC ANGIOMYOLIPOMA

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抄録

症例は73歳,女性.18年前に健診で肝S1 Spiegel葉に5cm大の肝腫瘤を指摘され,精査を勧められたが放置していた.最近になり心窩部痛を契機に近医を受診し,精査をしたところ単純CTでは低吸収で,造影早期で辺縁から緩徐に造影効果の増強する6cm大の腫瘤像を認めた.MRIでは内部に脂肪成分が示唆された.以上より血管筋脂肪腫または脂肪成分に富んだ高分化型肝細胞癌が疑われたため,手術を施行した.腫瘍外観は黄褐色調,膨張性に発育し周囲への浸潤は認めず,肝spiegel葉切除術を施行した.組織像から肝細胞腺腫との鑑別に苦慮したものの最終的に高分化型肝細胞癌と病理診断された.高分化型肝細胞癌と肝血管筋脂肪腫および肝細胞腺腫は臨床学的,病理学的にその鑑別が困難なことがあり,診断には詳細な検討を要する.

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