腸閉塞で発症した小腸間膜異所性膵の1例

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  • A CASE OF ECTOPIC PANCREAS IN THE SMALL BOWEL MESENTERY PRESENTED WITH INTESTINAL OBSTRUCTION

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抄録

症例は80歳,男性.虫垂切除の既往あり.腹痛,吐気を主訴に来院した.来院時の腹部X線写真にて鏡面像は認めるが,CTで閉塞起点は同定されず,癒着性腸閉塞と診断し入院となった.この一年で5回目の入院であった.保存的な加療にて症状は軽快したが,腸閉塞を頻回に発症するため,腹腔鏡下腸閉塞解除術を施行した.手術は腹壁と回腸との癒着剥離を行った後,回盲部より30cm口側の回腸に約10cmにわたり腸間膜の肥厚を伴った腸管の狭窄を認めたため,ここが腸閉塞部位と断定し,小開腹創から回腸を腹腔外に取り出し,小腸部分切除を行った.病理組織検査にて回腸粘膜の軽度炎症所見と,小腸間膜に膵組織の導管様構造を認めたため異所性膵を示唆された.Heinrich分類はIII型であった.最終診断としては小腸間膜異所性膵による小腸狭窄と考えられた.現在,退院後6カ月経過しているが,腸閉塞は発症していない.

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