連日生じるミオクロニー重積に静注用フェノバルビタールが著効したアンジェルマン症候群の1成人例

  • 永井 達哉
    独立行政法人国立精神・神経医療研究センター病院精神科
  • 齊藤 聖
    独立行政法人国立精神・神経医療研究センター病院精神科
  • 高木 俊輔
    独立行政法人国立精神・神経医療研究センター病院精神科
  • 坂田 増弘
    独立行政法人国立精神・神経医療研究センター病院精神科
  • 渡辺 雅子
    独立行政法人国立精神・神経医療研究センター病院精神科
  • 渡辺 裕貴
    独立行政法人国立精神・神経医療研究センター病院精神科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Angelman Syndrome Representing with Myoclonic Status Successfully Treated with Phenobarbital

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抄録

症例は最重度精神遅滞を伴う29歳女性である。幼少期より体が硬くなる発作が月数回、強直間代発作が年1回、舌および四肢の攣縮が連日1時間程度あったが、攣縮がてんかん発作か不随意運動かは症候的に判別困難で症候群診断もなされていなかった。当院入院による脳波検査で、攣縮中に広汎性2~3Hz棘徐波複合と広汎性鋭波様律動が数秒ごとに二相性に認められ、ミオクロニー重積と判明した。重積はジアゼパム静注では頓挫できず、静注用フェノバルビタールが著効した。本症例は非定型欠神発作、頻繁な微笑なども認められ、染色体検査にて15q11-13の欠失が確認され、アンジェルマン症候群の診断が確定した。アンジェルマン症候群ではミオクロニー発作や非定型欠神発作が多く、重積になりやすい。これらの発作に精神遅滞を伴う場合、アンジェルマン症候群を鑑別に入れることが重要であり、フェノバルビタールが著効する場合がある。<br>

収録刊行物

  • てんかん研究

    てんかん研究 29 (1), 44-51, 2011

    一般社団法人 日本てんかん学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (18)*注記

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