耳症状で初発し肥厚性硬膜炎を合併したWegener肉芽腫症疑い例

  • 深美 悟
    獨協医科大学 耳鼻咽喉・頭頸部外科学教室
  • 春名 眞一
    獨協医科大学 耳鼻咽喉・頭頸部外科学教室
  • 平林 秀樹
    獨協医科大学 耳鼻咽喉・頭頸部外科学教室
  • 月舘 利治
    獨協医科大学 耳鼻咽喉・頭頸部外科学教室
  • 岡田 真由美
    獨協医科大学 耳鼻咽喉・頭頸部外科学教室
  • 金谷 洋明
    獨協医科大学 耳鼻咽喉・頭頸部外科学教室

書誌事項

タイトル別名
  • A suspected case of Wegener's granulomatosis presenting as otitis media with hypertrophic pachymeningitis

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抄録

耳症状を初発とし、C-ANCA、P-ANCA陰性で、鼓室開放術での組織検査でも特徴的所見がなく、経過中に肥厚性硬膜炎を合併したWegener肉芽腫症疑い症例を経験した。症例は67歳の女性で、4ヵ月前からの左耳痛、混合難聴にて鼓膜換気チューブ留置術、抗菌薬とステロイド薬の投与を行ったが、耳漏持続にて当科紹介された。3ヵ月後の左試験的鼓室開放術での組織検査では非特異的炎症性肉芽であった。その後、右耳漏、めまい、頭痛、鼻症状が出現した。経過中にC-ANCAの上昇、脳MRIで肥厚性硬膜炎を認め、肥厚性硬膜炎を伴ったWegener肉芽腫症疑い例と診断した。プレドニンとサイクロフォスファマイド療法を開始し、症状が軽減した。Wegener肉芽腫症の初期病変では、特徴的病理組織所見、C-ANCA値が陽性にならないことがあるため、本疾患を疑った場合には定期的な血液検査や画像検査、病理組織検査が重要と考えられた。

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被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (18)*注記

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