わが国の飼育環境下にあるチーター(Acinonyx jubatus)集団における遺伝的多様性と血縁関係の解析

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タイトル別名
  • Evaluation of genetic diversity and relationship in a population of cheetah (Acinonyx jubatus) under captivity in Japan
  • ワガクニ ノ シイク カンキョウ カ ニ アル チーター Acinonyx jubatus シュウダン ニ オケル イデンテキ タヨウセイ ト ケツエン カンケイ ノ カイセキ

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抄録

動物園などでの飼育環境下にある動物の遺伝的多様性を維持することは重要な課題である.本研究では,イエネコのマイクロサテライトマーカーを用いて,飼育環境下の62個体のチーターの遺伝的多様性と血縁関係を解析することを試みた.チーターのDNAより17座位のマーカーの増幅を試みた結果,すべてのマーカーで増幅産物が認められ,そのうちの15座位はチーターにおいても多型性が確認された.これらの座位における平均の対立遺伝子数は4.65,ヘテロ接合度は0.6398,多型情報量は0.5932であり,本集団の遺伝的多様性は,野生のチーターの集団と比べて大きな違いは無かった.また,総合父権否定確率は0.999733であり,実際にこれらのマーカーを用いて正確な親子判別が可能であることが確認された.各マーカーの遺伝子型を基に62個体のクラスター解析および分子系統樹の作成を行ったところ,これらの個体は,いくつかの集団に分類され,各集団は基本的に家系と一致していた.以上の結果は,今後わが国のチーター集団の遺伝的多様性を維持する上で重要な知見であると考えられた.

収録刊行物

  • 日本畜産学会報

    日本畜産学会報 81 (2), 133-141, 2010

    公益社団法人 日本畜産学会

参考文献 (23)*注記

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