血管径が頸動脈洞のプラーク形成に与える影響について

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タイトル別名
  • Impact of vessel diameter on plaque formation in carotid sinus

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抄録

目的:粥状動脈硬化病変(Plaque)は,比較的大きな血管の分枝部など特定部位に好発する特性がある.しかし,左右頸動脈洞(CS)の一方のみにPlaque形成を認めることは,臨床現場にてしばしば遭遇する.我々は,血管径などが一方のみにPlaqueを形成させている要因と推測し,それらの因子がPlaque形成に与える影響について研究した.対象と方法:2009年4月から2010年3月までに医療法人生登会寺元記念西天満クリニックにて頸動脈超音波検査を実施した外来患者の内,左右一方のCSのみにPlaque形成を認めた100例(男性68人,女性32人)を対象とした.頸動脈超音波検査にて,左右両側の総頸動脈(CCA)とCSの接合角,各血管径,血管径比(CS/CCA),平均内膜中膜複合体厚及び流速を求めた.Plaque形成を認めた側をP側,認めない側をN側として,各因子を比較検討した.結果と考察:接合角,CS径とCS/CCAは,P側の方がN側に比較して有意に高値を示した.本研究結果より,血管径や接合角は血管内皮へかかるずり応力に影響し,Plaque形成の重要な因子になると推測された.結論:血管径や接合角がPlaque形成の要因であることが示唆された.

収録刊行物

  • 超音波医学

    超音波医学 38 (3), 267-272, 2011

    公益社団法人 日本超音波医学会

参考文献 (39)*注記

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