インプラントの咬合~臨床上起こっている問題点

  • 永田 省藏
    九州支部 (医療法人永田歯科クリニック) 九州大学大学院歯学研究院咀嚼機能制御学分野

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タイトル別名
  • Occlusion of Implantlogy-The Problem of Clinical Cases

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抄録

これまでインプラントの補綴を行うには, 類似した歯冠補綴を参考にして再建を行い, 逆に天然歯との違いから問題点が提起されてきた. ことにインプラントの咬合においては, 支持組織, 上部構造物, あるいはそれを取り巻く顎周囲の筋肉や顎関節と共存していくうえで, 残存歯との違いをどのように補償しているのか, 術後経過で起こりうる咬合の経年的な変化やその兆候をどのように読みとるべきか, インプラントと咬合のかかわりにおいてその実体が明白ではない事項も少なくない.<br>一方, インプラントの咬合の問題点を検討するにあたり歯列の抱えるリスクや特性を力学的に捉える必要がある. 起こった問題がインプラントの問題点なのか, それとも歯列自体が抱えるリスクなのか, を明らかにする必要がある. また, 天然歯列においてもまだコンセンサスが得られていないパラファンクションと補綴臨床の問題~そこでは非機能的・非生理的な力に対しインプラントがどのように折り合いをつけるのか, 過剰な力の要素がインプラント補綴に投げかける問題も見過ごせない. シンポジウムでは, 症例を通していくつかの臨床上の問題点を提起した.

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